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カシオの電子キーボードが「脳活」に進化! 東大との共同研究から生まれた弾く・聴く・歌うの新提案

dメニューニュースによると、カシオ計算機は「光ナビゲーションキーボード」の新製品「LK-550」「LK-350」を9月4日に発売する。上位機のLK-550には、東京大学先端科学技術研究センターとの共同研究成果を反映した「脳活BGM」「脳活カラオケ」を搭載する。鍵盤を弾くことだけでなく、聴くこと、歌うことまで楽器の入口に組み込む設計である。ジャズピアノの観点では、これは演奏機能の追加というより、音楽…

カシオの電子キーボードが「脳活」に進化! 東大との共同研究から生まれた弾く・聴く・歌うの新提案

dメニューニュースによると、カシオ計算機は「光ナビゲーションキーボード」の新製品「LK-550」「LK-350」を9月4日に発売する。上位機のLK-550には、東京大学先端科学技術研究センターとの共同研究成果を反映した「脳活BGM」「脳活カラオケ」を搭載する。鍵盤を弾くことだけでなく、聴くこと、歌うことまで楽器の入口に組み込む設計である。ジャズピアノの観点では、これは演奏機能の追加というより、音楽行動を複数の入力経路へ分解した製品と定義できる。

「弾く」以外の音楽行動を機能化

光ナビゲーションキーボードは、光る鍵盤で押さえる位置を示す初心者向けの電子楽器である。今回の新製品では、既存の演奏支援に加えて、聴取と発声を脳活の要素として組み込んだ。

LK-550の「脳活BGM」は、「はかどる曲」と「ととのう曲」の2カテゴリーで構成され、それぞれ15曲、合計30曲を収録する。ベースとなるのは「エリーゼのために」や「G線上のアリア」などのクラシック曲である。「はかどる曲」はテンポを上げ、ビート感を強調する。一方、「ととのう曲」はテンポを落とし、ストリングス系の音域を生かす方向で設計されたという。

ここで重要なのは、単なるBGM再生ではない点である。テンポ、ビート、音域という音楽上のパラメータを変更し、聴取時の状態との関係を検証している。ジャズで言えば、同じコード進行でも、♩=120と♩=70では身体が受け取る拍の密度が異なる。さらに、ベースのアタックを強調するか、パッド状の持続音を前面に出すかで、グルーヴの知覚も変わる。今回の機能は、その差を製品仕様へ落とし込んだものとみられる。

「脳活カラオケ」はメロディを引く

もうひとつの新機能が「脳活カラオケ」である。96曲を収録し、一般的なカラオケのようにメロディを全面的に提示するのではなく、あえてメロディ音量を絞る。歌詞とリズムを手がかりに、歌い出しのタイミングや旋律を自分で補う構造である。難しい場合はメロディ音量を上げる調整も可能だという。

この仕様は、ジャズのアドリブ練習と接続しやすい。旋律を完全に外部へ預けず、頭の中で音程を維持しながら発声する。次に、左手でルートを省いた3度・7度のヴォイシングを置き、右手で旋律の一部を応答させる。歌う、聴く、弾くを分離せず、同じフレーズを異なる経路で処理するわけである。

たとえば、Cマイナーの短いフレーズを練習する場合、最初に歌詞や旋律だけを確認する。次にメロディ音量を下げ、リズムの内部拍を維持する。その後、ピアノでCm7の3度と7度、つまりE♭とB♭を鳴らし、歌の着地点を確認する。最後に、右手で9thや11thを加える。音程を当てることより、拍のどこに音を置くかを優先する。これは脳活という名称を使わなくても、アドリブの基礎である。

記事では、東京大学との共同研究において、健常な高齢者25名を対象にした実証実験が行われ、カラオケプログラム後に空間記憶課題中の脳血流反応の立ち上がりが平均約2.9秒早まったことや、発声トレーニングの反復速度が向上したことが確認されたとしている。ただし、これは製品の設計背景として報じられている内容であり、演奏者が個別に同じ結果を得ると断定する材料ではない。数字は数字として扱うべきである。

LK-550とLK-350の役割を分ける

LK-550には「脳にキク」フレーズも50フレーズ収録される。この機能は今回が初出ではなく、約18年前の機種から搭載されてきたものだという。規則的なフレーズを演奏し、指先への意識集中を促す設計である。MIDIレコーダーも備え、演奏の録音と保存に対応する。Bluetooth機能と専用アプリを使えば、追加コンテンツを曲単位で購入でき、600曲以上が配信されているとされる。

一方、LK-350は脳活BGMと脳活カラオケを搭載しない。3ステップのレッスン機能、どこを弾いても正しい音が出る「らくらくモード」、付属マイクによる弾き語りなど、初心者向けの構成である。内蔵曲は120曲。両機種の設計目的は同一ではない。LK-550は聴取・発声・記録まで含めた複合型、LK-350は鍵盤への接触頻度を上げる導入機と整理できる。

ジャズピアノの練習に引き寄せるなら、確認すべき点は「脳に効くか」ではない。テンポを変えたとき、拍の認識がどう変わるか。メロディを減らしたとき、歌い出しを自力で保持できるか。ルートレス・ヴォイシングへ移行したとき、3度と7度を聴き分けられるか。この三点である。

代替可能な練習パターンは明確だ。

  • BGMに合わせ、左手で3度・7度だけを弾く
  • メロディを歌いながら、右手で9thを追加する
  • メロディを止め、頭の中でフレーズを維持する
  • 録音後、着地音とテンションの度数を確認する

カシオの新製品は、鍵盤を「正しく押す装置」から、聴覚・発声・運指を連結する装置へ拡張する。ジャズの実践で見るべきなのは、その宣伝文句ではなく、音楽をどの経路で処理させるかという構造である。

seoTitle: カシオ新キーボードをコード練習から分析

metaDescription: カシオの新キーボードに搭載される脳活機能を、テンポ、発声、コード練習の構造からジャズピアノの視点で整理する。

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